一人ひとりに向き合うメンタルケアで
「はたらくをよくする®」
創業22年目の今、働く人にとって一番頼れる存在へ

ピースマインド株式会社 代表取締役社長

荻原英人さん

「先の読めない時代」を前提とした組織づくりを

企業が従業員のメンタルヘルスケアを重視するようになっていく経過をつぶさに見てこられたわけですが、現在の日本企業の人事やメンタルヘルスに関する課題をどのように捉えていらっしゃいますか。

時代は令和になりましたが、ビジネスシーンには平成どころか昭和的な考え方がまだまだ色濃く残っているように思います。一方で、そういった古いマネジメントや組織のあり方、働く人の意識や働き方が、ここにきてようやく変わりはじめていることも感じています。

例えば職場におけるハラスメント。昭和の職場では、ハラスメントをハラスメントと思わず、部下や同僚に対して「よかれ」と思ってやっていました。しかし、現在の価値観でその行為を見ると「それはおかしい」となり、多くの組織が考え方や働き方をアップデートすることを迫られています。

ダイバーシティについても、本当の意味で多様性が必要だと考えていた経営者は日本では少数派でしょう。でも、今後は本気で向き合っていかなければならない。多様性を軽んじていることが態度や言葉に出ると、組織を揺るがすかもしれないからです。

人事は、マインドやカルチャーから変わらないといけない時代だと思います。その意味では、ストレスチェックの義務化をはじめ、それを後押しする法律がどんどんできているのはいいことでしょう。

また、人生100年時代、超高齢化社会を迎えて労働人口の減少は避けられないものとなっています。一人ひとりが健康に長く働き、活躍して付加価値を出し続けるには、企業も長いライフステージを見すえて社員のメンタルヘルスをサポートしなくてはなりません。

結婚、出産、あるいは親の介護といったライフイベントはある程度予見できますが、自然災害や感染症の流行など、予測不可能な事態も、常に起きる前提で組織をつくっていくことが求められるのではないでしょうか。私たちもそういった部分まで含めて、働く人や企業を支えていきたいと考えています。

メンタルヘルスに関するサービスを提供する立場の経営者としてはどのようなことを大切にしてこられたのでしょうか。

個人と組織、常にその両面を考えたサービスを意識するようにしています。どんな会社でも働く個人が集まって組織になっています。例えば組織を活性化し、生産性を上げたいなら、まずは社員一人ひとりの課題に向き合い、解決することが重要だと考えています。問題を抱えている社員は、いきいきと働けませんし、本来の力が発揮できません。個人を支えることができて初めて、チーム単位、職場単位といった組織で必要な支援が見えてきます。

もう一つは、長期的かつ継続的にお客様を支える体制をつくること。今後はお客様のニーズもより複雑性を増し、多様化していきます。単純なプロダクトやシステム、短期的な収益を意識したサービスでは課題解決にはならないでしょう。

そういった考え方を組織に根づかせるためには、リーダーの役割が重要になってきます。

自分の思いを発信し、共感してくれた人を言葉の力で一つにできる人がリーダーです。そして、一緒に動いてくれる人に適切な活躍の場を提供することこそ、リーダーの役割だと思います。人はつい短期的な結果を見てしまいます。だからこそ、ミッションやビジョンに忠実に事業を進め、日々の仕事に向き合うことが欠かせません。私自身もそれをテーマにしていますし、ピースマインドの仲間たちにもその視点で仕事をし、成長することを求めています。

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