「世の中になくてはならない企業」をつくりたい
人材教育と紹介で、就職ポテンシャル層と企業の可能性を拓く

株式会社ジェイック 代表取締役

佐藤 剛志さん

「世の中になくてはならない企業」を志し、企業経営に参画

その後、貴社に参画されています。どのような経緯だったのか教えてください。

佐藤 剛志さん(株式会社ジェイック 代表取締役)

コンサルとして独立後、つながりのあった企業から依頼を受けて、会議に出たり社長の相談に乗ったりしていました。でも、独立2年目に入ったころに「この仕事を一生やるのかな」と悩むようになったんです。もともと希望して始めた仕事ではありませんでしたからね。

将来の夢もなく、「このままではダメだ」と思った私は、ふと前職の上司が経営している会社のことを思い出しました。そこで挨拶に行くと、元上司がジェイックの事業を始めようとしていたところでした。「佐藤くんも手伝ってよ」と言われたので、私も参画することになりました。30代半ばのことです。

もともと私は、「世の中になくてはならない仕事をしたい」と思っていました。宅急便を生み出した小倉昌男さん(故人。ヤマト運輸元会長)をとても尊敬していますし、別の例で言えば、コンビニのように便利で世の中に欠かせないようなサービスを作りたいと考えていたんです。だから、個人で仕事を続けるよりも、会社経営に関わるほうが良いと判断しました。

2000年にジェイックの社長に就任。当時のことをお聞かせください。

社長になってから、個人コンサルの仕事を整理し、私財をジェイックの運転資金に投入して経営に取り組み始めました。ギアを改めて入れ直した、ということです。

とはいえ、最初から順調だったわけではありません。とくに資金繰りには苦労したことを覚えています。もともと当社は社員教育を本体事業としていたのですが、創業したばかりで実績のない当社が受注を増やすのは難しいことでした。

そこで当時導入したのが、日本ではまだ一般的ではなかったダイレクトレスポンスマーケティングの手法です。まずは不特定多数の企業にファクスを送り、無料冊子をお届けすることで、徐々に企業とのつながりを増やしていきました。それからセミナーや研修の受注が増えてきたんです。

貴社は現在、教育事業に加えて就職・採用支援も手がけていらっしゃいます。どのような理念に基づき、どのように事業を広げてこられたのでしょうか。

社員教育事業を通じて取引先が増えていくなかで、「採用がうまくいかない」という話を多く聞くようになりました。そこで、当時規制緩和が進んでいた人材紹介業を新たに事業領域として加えたのです。

当時は人材紹介業についてほとんど知らず、いわば見よう見まねで始めたわけですが、ある問題が生じました。当時は求職者に登録していただき、取引のある企業に紹介するというビジネスモデルだったのですが、紹介した人がすぐに辞めてしまうことがあったんです。「ジェイックの紹介だから」という理由で採用していただいたのに、期待に応えられなかったわけです。

一方、社内では、社員教育を担当する部署と、人材紹介を担当する部署の間の連携が不十分だった点が課題でした。そこで、「人材を教育してから企業に紹介する」という事業モデルを思いつき、教育支援事業と採用支援事業の二つの軸がうまく連携するように体制を整えました。

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