顧客の「こうなりたい」という気持ちに寄り添い、
課題解決に貢献
“作り続ける”サービスで
多様な人材が活躍できる組織を生み出す

株式会社インソース 代表取締役 執行役員社長

舟橋 孝之さん

“良品廉価”にこだわり、最速でサービスを提供したい

舟橋さんは、貴社をどのような思いで経営し、事業を展開されているのでしょうか。

舟橋 孝之さん(株式会社インソース 代表取締役 執行役員社長)

そもそも私は、人事とは別の業界で仕事をしてきた人間です。そのため、「私がこうしたい」という考えよりも、お客さまの「こうなりたい」という気持ちに向き合いたいと考えています。

お客さまの課題は多様で、時代も変化しています。そうした中で、お客さまのニーズに対応した新たなサービスや研修を、迅速に開発・提供することを大切にしていきたいですね。

商品開発にあたって心がけているのは、“良品廉価”。社員教育には膨大なコストがかかりますから、良いものを安く提供することが重要です。例えば、全国に拠点がある企業が東京で一斉に研修をしようとすると、会場費や社員の交通費、さらには本業をストップすることによる逸失利益といったコストがかかります。しかし、当社が全国で良質な研修を提供することができれば、そのような問題を解決することができます。

現在、私たちは事業所を全国22ヵ所、セミナールームを全国8都市に常設。今後さらに増やしていこうとしていますが、それはより多くのお客様に当社のサービスを廉価で提供したいと考えているからです。いかに研修の費用対効果をよくするかということは、私たちの永遠のテーマと言えます。

貴社では、講師派遣型研修事業、公開講座事業のほかに、IT事業にも力を入れていますね。

ITを活用することで、仕事の分業化・効率化が可能になるからです。生産性向上という点でも、大変重要でしょう。当社には50名以上のITエンジニアが所属しており、研修の運営や営業プロセスまで全てをIT化。どこにいてもアクセスできるようになっています。

また、AIを活用して研修の開催回数などを決めています。研修による利益は、受講人数に応じて変動するため、受講者が見込める時期と場所で開催する必要があります。この判断をAIの機械学習により行ったことで、1年間で粗利が10%も上昇しました。

なぜ、生産性向上に注力しているのかというと、ダイバーシティを大切にしているからです。2019年6月末時点で、インソースの全社員429人のうち、60歳以上のシニアが13名、障がいを持った社員が10名います。女性管理職比率は24.5%で、女性役員もいる。こういった組織体制ですから、高い業績を挙げるためには生産性向上が不可欠なのです。

ダイバーシティを大切にすることによるメリットとは何でしょうか。

当社には多様な社員がいて、それぞれが活躍できる環境があるから、さまざまなサービスを迅速に作り上げることができます。実際、多様な価値観や専門性のある社員の力によって、新たなサービスがどんどん生まれています。

例えば、現在の主力事業の一つである公開講座は、ある女性役員が推進したものです。創業以来行っている講師派遣型研修事業の場合、「たった一人だけど、研修を受けさせたい」という外資系や中小企業のニーズに応えることができません。そこで彼女が公開講座開催を推進することになったのですが、現在では年間8,000回を超える公開講座を全国で開催しており、受講者も年間60,000人を超える規模に成長しました。

ITサービスもそうです。当社にはITエンジニアが多数在籍していますから、人事部門が楽になるシステムを自社で開発することができます。人事サポートシステム「Leaf」は、集合研修やeラーニングを一括管理できる機能などを備えており、多くの大企業に導入していただいています。このように、多様な社員のアイデアを具現化して、お客さまに提供できる点は当社の強みだと考えています。

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