「世界中の人々を魅了する会社を創る」を掲げ
日本全体の「人材の流動化」と
「組織変革の支援」を担う

株式会社アトラエ 代表取締役CEO

新居 佳英さん

世界中の人々を魅了する会社を創る。本気になれる仲間と共に

アトラエが掲げているビジョンをお聞かせください。

アトラエのビジョンは、「世界中の人々を魅了する会社を創る」。全ての社員が誇りを持てる組織と事業の創造に注力し、関わる人々がファンとして応援したくなるような魅力ある会社であり続けること。そして、日本を代表するグローバルカンパニーとして世界中の人々から必要とされる存在になることを目指しています。

このビジョンは、言葉尻が変わっても、思想の根本は創業時から変わっていません。「仕事だから」とか「生活のために」というのではなく、同じ夢を追いかける仲間と一緒に、思いきりビジネスを楽しみたい。意欲ある仲間たちが無駄なストレスなく、いきいきと働き続けられる組織をつくりたい、と考えてきました。

「どんな事業を手がけたいか」よりも、「どんな組織にしたいか」が先にあったわけですね。

そうです。正直、「○○の事業を手がけたい」という考えは全くありませんでした。ただ決めていたのは、大切な人に誇れない事業だけはしない、ということ。どんなにもうかるビジネスでも、両親や恋人、友達、自分の子どもに誇れない事業やサービスだったら、やる意味がない。そもそも、社会に新たな価値を残せる事業、より良い影響を与えられるビジネスでなければ仲間を惹きつけることはできません。価値のないものに人々は熱狂できませんから。

アトラエの主力サービスである、成功報酬型転職メディア『Green』は、従来の人材紹介とは一線を画す先進的なビジネスモデルですね。『Green』は、どのような発想から生まれたのでしょうか。

『Green』のビジネスモデルは、「人材紹介会社の価値が下がってきているのではないか」という危機意識に端を発しています。人材紹介業では、求人企業と求職者の間に入ってマッチングを行うキャリアアドバイザーの存在が重要ですが、組織が大きくなればなるほど、ITや仕組みで自動化できてしまう側面がある。極端なことを言えば、新卒1年目の社員でも、適切なマッチングができてしまうんですね。自動化できるのであれば、間に入る人材をなくして求職者と企業を直接マッチングさせるプラットフォームをつくるのはどうか。そのほうが安価なサービスを提供できるのではないか、と考えました。

身近な例でお伝えすると、ひと昔前は旅行に行くとき、みんな旅行代理店に足を運びましたよね。旅行代理店に飛行機やホテルのチケットを取ってもらって、場合によっては観光ツアーにも申し込んで。この場合、代理店が全てやってくれる代わりに中間マージンが発生するので、当然価格は高くなります。しかし今は、自分自身で飛行機もホテルも一度に安価で予約できるWEBサイトがたくさんあります。旅行代理店を使っても、インターネットで申し込んでも、どちらでもよい。つまり、ユーザーの選択肢が増えたわけです。

近い将来、同じことが人材紹介業にも起きるだろうと思いました。わざわざ人材会社に足を運んで、キャリアアドバイザーに会わなくても、自宅で全ての企業情報が見られて、気軽に応募できる方法があったとしたら、そのほうが良いと思うユーザーはいるだろう、と。そうして、全求人を公開する成功報酬型求人メディア『Green』が生まれたのです。

成功報酬型求人メディア『Green』

▲成功報酬型求人メディア『Green』

アトラエは、組織づくりにおいても業界内外から注目されています。具体的な取り組み事例について教えてください。

「意欲ある仲間たちが、無駄なストレスなく働ける会社」をベースに、さまざまな施策を実行しています。たとえばメディアでもよく取り上げていただくのが、「ホラクラシー型組織」であるということ。上司・部下という上下関係や、出世や役職という概念を撤廃し、プロジェクト単位でビジネスを推進する仕組みを採用しています。

ただ、少し勘違いをされやすい点でもあるのですが、私たちは何も「フラットな組織」にこだわっているわけではありません。どのような組織形態にしたら、アトラエの社員がいきいきと働けるのか。無駄なストレスなく自分たちが正しいと思うことにまい進できるのか。「フラットな組織」や「役職の撤廃」は、それらを徹底して考えた、あくまで“結果”に過ぎません。意欲ある仲間たちが集まる組織なら、上司によるマネジメントや、役職者だけに権利を集中させる必要がない、という意味合いもあります。

このほかにも、無駄なストレスをなくす施策としては、住宅手当を手厚くし会社から徒歩圏内に住めるようにしたり、出退勤時間を自由にしたり、学校帰りの子供が自由に会社に立ち寄れるようにしたりしています。基本は性善説で、「管理」ではなく「信頼」をベースにしています。社員の小さな不満や問題意識をないがしろにしない。そして社員を主体にオリジナルの組織をつくっていく、それがアトラエの組織づくりです。

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