HR業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

エン・ジャパン株式会社 代表取締役社長

鈴木 孝二さん

転職支援企業がなぜ「転職は慎重に。」と訴えるのか
人材ビジネスのあるべき姿を体現する若きトップの信念とは [1/4ページ]

(2016/01/25掲載)
鈴木 孝二さん
「仕事は自らの成長ステージです。だから、厳しいのは当たり前。より厳しく、よりチャレンジングな環境を求めなければ、人間成長は望めません」――人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社代表取締役社長の鈴木孝二さんは、2008 年6月に同社の創業者から経営を託されて就任した2代目社長です。当時、鈴木さんは37歳。新卒で入社し、成果を積み上げて昇り詰めた生え抜きのトップ。実は冒頭の言葉は、鈴木社長が就活中に参加した同社の前身である日本ブレーンセンターのセミナーで、創業者の越智通勝社長(現エン・ジャパン会長)が口にしていたものです。その言葉に目を開かれ、人材ビジネスの世界に飛び込んだ鈴木さんは、日本ブレーンセンターのインターネット事業部を分社して設立されたエン・ジャパンをけん引し、急成長の立役者となります。まさしく会社の成長と軌を一にする活躍ぶり――その歩みの原点には、人と仕事に対するゆるぎない哲学がありました。
プロフィール

鈴木 孝二(すずき・たかつぐ)●1971年愛媛県生まれ。1995年、同志社大学卒業、同年エン・ジャパンの前身である株式会社日本ブレーンセンター入社。新卒・中途採用の営業を経て、教育・評価サービスを手がける部署に配属。人材ビジネス全般の経験を積む。2000年1月、日本ブレーンセンターでインターネット求人広告を担っていたデジタルメディア事業部が分社独立、エン・ジャパン株式会社設立と同時に取締役に就任。2001年6月、設立から約1年半でナスダックジャパン(現東証JASDAQ)にて株式公開を果たす。取締役 営業部長として同社の急成長を牽引し、2008年3月に常務取締役、同年6月に代表取締役社長に就任。

マスコミ志望から一転、創業者の理念に共感して人材ビジネスへ

―― 鈴木さんは1995年同志社大学商学部を卒業後、エン・ジャパンの前身である日本ブレーンセンターに入社されました。その就職の経緯についてお聞かせください。

商学部の出身ですが、当時はビジネスや経営にはまったく興味がなく、マスコミ志望だったんです。子どもの頃から政治に興味があり記者になりたくて。新聞社や出版社、テレビ局などかたっぱしから受けて、かたっぱしから落ちました(笑)。唯一、大手新聞社の最終選考に残ったのですが、そこも結局ダメでした。さあ、どうしようかなと思っていたときに、日本ブレーンセンター(エン・ジャパンの前身)から会社説明会の案内ハガキが来たんです。「世の中ウォッチングセミナー」と書いてあって、面白そうだと行ってみたら、強烈なインパクトを受けました。

創業者で社長だった越智(現エン・ジャパン会長)自らが、講師として各業界の人材戦略を指南しながら、当社の理念である「人間成長」に基づく話をしてくれました。仕事は自らの成長のステージだからより厳しく、よりチャレンジングな環境を求めなければいけない、大手なら安心だろう、楽だろうなんて生ぬるいことでは成長できないと。そのような話を学生の私たちに向かって、本音で熱く語ってくれたのです。

肝心の会社や業務内容に関する説明はほとんど覚えていないのですが、越智のパーソナリティーや面接で出会った社員の人たちのイキイキ感にひかれて、入社を決めました。

―― まさに“縁”ですね。その出会いをきっかけに、人材ビジネスという業種や仕事そのものへの興味も深まっていったわけですか。

知れば知るほど、面白そうだなと思うようになりました。自分で意識していなかったものの、「仕事」や「働く」ということについては、潜在的に関心があったのかもしれません。というのも、私が生まれ育ったのは愛媛県の小さな島で、造船業がさかんな地域でしたが、80年代には深刻な造船不況で多くの人々が路頭に迷い、造船所に勤めていた私の父もリストラに遭いました。雇用が失われると、途端に街がさびれていきます。中学・高校のころにそのような光景を目の当たりにしたせいか、仕事って大事だなという感覚はずっと心の奥にあったんです。今から思うと、人材ビジネスに社会的意義を感じ、それを自分の職業として追求しようと考えた、一つの要因です。

―― 鈴木さんが入社された当時の日本ブレーンセンターでは、リクルートの代理店業務を事業の一つとして手がけていたそうですね。

ええ。私は営業でしたから、企業を訪問してリクルートさんの商品を提案していました。採用ニーズがあるかどうかをうかがい、ニーズがあれば、採用手法として『B-ing』や『とらばーゆ』といった求人誌への広告掲載を提案する。当時はまだ、新卒も中途採用も紙媒体の時代でしたから。

鈴木 孝二さん インタビュー photo

当社は、日本ブレーンセンターの時代から、採用とともに教育と評価のサービスも手がけ、採用・教育・評価の三つの柱をつなぐコンサルティングで企業の人材戦略に貢献することをミッションとして掲げていました。そうした自社の優位性を、自分の理解不足や説明のつたなさでお客様に納得していただけず悔しい思いをしたこともあります。ただ、お客様、とりわけ経営層の方々が人事・人材に関して、驚くほど深い悩みを抱えていらっしゃることは、当時の私にもよくわかりましたし、だからこそやりがいがあると比較的早い段階から実感していました。

―― 入社6年目の2000年には、新規事業のインターネット部門を分社する形でエン・ジャパンが設立され、創業と同時に、20代で新会社の取締役に就任されました。

インターネット事業そのものは95年に始まっているので、私自身、立ち上げには直接関与していませんが、会社の意思としては、自分たちの考える採用のあり方、就職・転職のあり方を実現するためには、やはり自前のメディアを持つべきだということで参入しました。当時の弊社のような中小企業が、新しい紙媒体をつくるのは難しい。そこで、普及し始めていたネットに活路を求め事業がスタートしました。95年というと、まだYahoo!JAPANのサービスもスタートしていない時代です。最初の数年間はサイトを閲覧する人自体が少なく、赤字が続きました。しかし、急速に事業環境も整っていったことから、さらなる拡大に向け事業部を分社独立させ、エン・ジャパンを設立。そのタイミングで、取締役に就任しエン・ジャパンの立ち上げに参加することとなりました。


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