HR業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

株式会社ヒューマネージ 代表取締役社長

齋藤 亮三さん

コンピテンシー適性検査をはじめ
次々に「新しい常識」を創り出す原点とは?

(2015/3/16掲載)
1988年に日商岩井の社内ベンチャーとしてスタートした株式会社アトラクスが前身となり、2007年、MBO(マネジメント・バイ・アウト)により独立した、株式会社ヒューマネージ。採用ソリューション事業、適性アセスメント事業、EAP(従業員支援プログラム)事業の3本柱で事業展開し、常に新しいサービスを切り開いてきました。2011年2月に株式会社ディスコと、2014年8月に株式会社リクルートキャリアと事業提携し、業界内では初めて、リクナビと日経就職ナビと同社の「i-web新卒採用モデル」を連動させるなど、新機軸に果敢に取り組んでいます。そんな同社を率いる社長・齋藤亮三氏に話を伺いました。
プロフィール

齋藤亮三(さいとう・りょうぞう)●株式会社ヒューマネージ 代表取締役社長。1964年生まれ。静岡県出身。1988年慶應義塾大学卒業後、日商岩井(現・双日)に入社。1999年4月、アトラクス(現・NOC日本アウトソーシング)へ出向、その後、取締役副社長に就任。2004年12月、適性アセスメント事業及びEAP事業を分社化してアトラクス ヒューマネージ(現・ヒューマネージ)を新設、代表取締役社長に就任。2007年7月、MBO(マネジメント・バイ・アウト)を実施し、独立。ヒューマン・キャピタル・マネジメントの観点から実践的なソリューションの提供を目的とした独自の人材サービス事業の創出に取り組む。主な著書には『できる人、採れてますか?』、『コンピテンシー面接マニュアル』、『ストレスマネジメントマニュアル』(弘文堂)がある。産業・組織心理学会会員、日本EAP協会正会員、日本産業ストレス学会会員、日本産業衛生学会会員、日本人事テスト事業者懇談会会員。

企業価値をどう高めていくか。そこで出会った「コンピテンシー」

―― 齋藤社長は、新卒で日商岩井(現・双日)に入社し、いわゆる商社マンとしてキャリアをスタートされたとお聞きしました。

私が大学時代、バブル経済が絶頂期に向かって突き進む中で、日商岩井がジュリアナ東京を手掛けたり、社内ベンチャーで30代の若手社員が社長になって活躍したりするなど、話題になっていました。起業できる会社は面白そうだと単純に考えて、日商岩井に入社しました。入社後約10年間は、世界中を飛び回る典型的な商社マンでした。

ところが、1990年代後半に日商岩井が経営不振に陥りました。資産売却施策の一環として、私に「子会社に出向して数年以内にIPO(株式公開)させよ」というミッションが与えられました。その会社は偶然にも、自分が就職活動時に日商岩井に興味を持つきっかけとなった社内ベンチャーのアトラクス。不思議な巡り合わせを感じました。

齋藤亮三さん インタビュー photo

―― 当時、アトラクスはどのような状況だったのでしょうか。

当時、アトラクスのビジネスモデルは、就職活動中の学生からの資料請求ハガキを企業から預かってデータベース化し、学生に会社案内パンフレットやセミナー案内などを発送するという、新卒採用に特化した発送代行業務でした。しかし、私が出向した1990年代後半は、インターネットが急速に普及しはじめ、企業と求職者とのコミュニケーションが一気にネットに移行し、アトラクスはビジネスモデルの転換を迫られていました。株式公開するどころではなく、そのままでは先細りしかない。企業価値を高めていくには、事業の転換が急務だと感じました。

そんなとき出会ったのが、当時ワトソンワイアット(現タワーズワトソン)に所属されていたコンサルタントの川上真史さんと、彼が日本に広めようとしていた「コンピテンシー(Competency)」という、新しい能力観に基づく人材評価のコンセプトでした。それまで多くの企業が新卒採用で行っていたのは「ポテンシャル採用」。ポテンシャルの高い人材を採用し、入社後時間をかけて育てるというものでした。しかし、バブル崩壊後に低成長時代が続き、企業側にそのような余裕がなくなっていたこともあり、入社後すぐに活躍できる即戦力人材を見出す尺度として、成果創出能力であるコンピテンシーは非常に理にかなった考え方だと思いました。

もともと私は、採用をもっと科学的に行えるようにしたいと考えていました。そこで、「コンピテンシーをもっと日本に広めたい」と思った私は、川上さんの協力を得て、適性検査という新しい事業を起こすことになり、それが現在のヒューマネージの原点となりました。

―― その適性検査が、2000年4月にリリースされた『Another 8』 ですね。当時の反響はいかがでしたか。

残念ながら、まったく受注できませんでした。コンピテンシーという新しい概念を伝え、採用手法も変えていこうと提案するには、戦略的にコンサルタント的役割を担う必要があります。そこで、HCM(Human Capital Management=人的資本経営)事業部という新しい営業部隊を立ち上げ、私自身が営業部長として最前線に出て営業を開始しました。営業部とはいっても、実質は、私も含め4名(うち2名は兼務)という小さな所帯。窓もない部屋に中古の机を持ち込んでのスタートでした。毎日深夜まで働き、仕事が終わったら近所のラーメン屋で酎ハイ片手に夢を熱く語り合う。そんな毎日でした。

そのときの私を支えていたのは「コンピテンシーは、事業の持続的発展を生み出す人材を見極める尺度としてきわめて有効なものだ」という確信でした。だからこそ顧客のニーズに本当の意味で応えられる。日本の採用を変えることができるという強い思いもありました。幸いに、その思いに共感してくださる企業が増え、現在では1000社以上で『Another 8』を導入していただき、当社の適性検査事業の主力商品になっています。


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