メタボ対策(特定健診・特定保健指導)のアウトソーシング

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2008年4月から、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防・改善を目的とする「特定健康診断・特定保健指導」が始まった。この制度は、将来の医療費負担を抑制する目的から、企業の健康保険組合など保険者に対して、メタボ健診とその指導を義務付けているのが大きな特徴である。企業もメタボ対策への取り組みを積極化していく中、ニーズの高まるこの分野に対して、さまざまな面からきめ細かなサポートを行うサービス提供企業が出てきている。

※この記事は2008年7月に作成し、2018年9月に各社のサービス情報を更新したものです。

2008年4月からメタボ健診(特定健診・特定保健指導)が義務化

「メタボ健診(特定健康診査・特定保健指導)」が2008年4月から始まった。メタボ健診は、後期高齢者医療制度をはじめとする厚生労働省の医療制度改革の一環としてスタートしたもので、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防に着目した健康診断・保健指導のことである。

メタボ健診の対象となるのは、40歳から74歳までの被保険者と被扶養者。国民健康保険や組合健康保険などの医療保険を運営する保険者は、メタボ健診を加入者に受けさせることが「義務化」された。

メタボ健診では、喫煙習慣の有無を含む既往歴の調査や身長、体重、BMI(肥満度)、肝機能検査など現行の健康診断の項目に、「腹囲測定」が加わったのが特徴である。その結果、メタボかその予備軍と判定された人は、特定保健指導の対象となり、保健師や管理栄養士から面接やカウンセリングなどにより、食事や運動の指導を受けることになる。これまでの健康診断では仮に異常があっても、「要精密検査」などと通知するにとどまっていた。これでは本人が自覚するのは難しく、なかなか早期治療へと結び付かなかった。

そのため、メタボ健診では生活習慣の改善指導が、企業の健保組合などに義務付けられたのである。さらに、メタボ健診の受診率や特定保健指導の実施率が低いと助成が出なくなる、あるいは一定期間内の減少率が国の基準に達しなかった健保組合に対しては、事実上の「罰金」を課すといったペナルティーまで検討されているという。このような背景から、メタボ対策へと乗り出す企業が急増しているというのが最近の状況である。

事実、厚生労働省は約2000万人がメタボリックシンドローム該当者、または予備軍に該当すると見込んでいる。厚生労働省はメタボ健診を義務化することにより、2015年度末までに該当者・予備軍を25%減らすという数値目標を立て、2兆円の医療費削減を目指しているとのこと。健診費や指導費はかかるものの、医療費の3分の1を占める生活習慣病を予防することによって、結果的に将来の医療費を抑制したい考えだ。

メタボ対策へと、早々に乗り出す企業

社員が心身ともに健康な状態でいることは、企業にとって非常に大切である。だからこそ、企業に対して健康診断を義務付けていたわけだが、特にメタボ対策で謳われている生活習慣病の予防については、健康なうちに病気にならないための正しい生活習慣を身に付け、それを維持していくことがポイントである。

実際、メタボ健診が義務化された前後での企業の動きは早かった。例えば、A健保組合では、メタボ健診の周知徹底について、社内でのイントラネット等による広報はもちろんのこと、健保組合が自らセミナーや勉強会を開催し、受診を積極的に促した。そして、健診で判明した社員の健康状態を数値化し、速やかに保健師や管理栄養士と面接や指導を受ける仕組みを作った。今後も、個別のカウンセリングなどを実施していくという。

また、社員食堂でメタボ対策への具体的な取り組みを行うケースも出てきた。B健保組合は社員食堂のメニューに対してカロリーや栄養分の表示を行うようにしただけでなく、独自にローカロリーのメニューを開発し、提供している。さらに、メタボやその予備軍と判定された人に対しては、個別の食事指導を行っていることだ。

この他にも、スポーツによる健康管理を充実させるケースもある。C健保組合がそうだ。フィットネスルームにメタボ健診対策グッズとして、最新の各種トレーニングマシンを導入。トレーニングセンターと提携し、週に1回、専門のトレーナーを招き、独自のメタボ対策用のプログラムによる運動を行っている。これには中高年男性だけでなく、女性の参加者も多いという。皆で楽しみながら運動できるのが、好評を得ている理由とのことだ。

ビジネスチャンスととらえ、サービス提供会社が続々と

とはいえ、企業や健保組合による独自の取り組みだけでは、やはり限界がある。多様なメニューを提供したくても、なかなか手が回らないのが現状ではないだろうか。そこで、メタボ対策に迫られている企業や健保組合に代わって、以下のようにきめ細やかなサービスを提供するさまざまなアウトソーサーが出てきた。

(1)特定保健指導
特定保健指導に関する具体的なプログラム提供や指導を行う。管理栄養士などによる面談や電話での食生活、運動メニューに関する指導・相談 など
例)専門的な教育・研修を受けた専属の管理栄養士が直接面談を行った後、電話やメールによる個別指導を3~6カ月行い、進捗状況をフォロー

(2)運動関連
フィットネスクラブでのメタボ用の機器設置、計測機器等の充実、個別指導。健保組合への機器の貸し出しや専門員による指導 など
例)メタボ対策に特化した健康増進教室を開催し、運動等に関するデータを独自に集計。個別データに基づく生活習慣病の予防・改善支援を行う

(3)食事関連
社員食堂へのメニュー提供、食事サービス。レストランと連携した個別メニューの開発・提供、健康アドバイス など
例)ローカロリーの食事を提供するサービス。一人ひとりの健康状態に応じたオリジナルメニューをシェフが考案。料理説明や健康アドバイスなども行う

(4)その他
●健保組合に対するメタボ対策のトータルなカウンセリング、独自の指導
●健康やメタボ対策への取り組みをポイント化し、商品等と交換するサービス
●インターネットを通じたメタボ対策関連の情報、サービス提供、個別アドバイス など

アウトソーサーを選ぶ際のチェックポイント

いずれにしても、メタボ対策はまだ始まったばかり。これから対応すべき点や問題もいろいろと明らかになってくることだろう。また、一口に「メタボ対策のアウトソーシング」といっても前述のように、さまざまな種類のサービスがある。アウトソーサーを活用する際は、自社の状況や課題、さらには業種、規模、地域なども加味した上で、自社に合ったサービスを選ぶことが最も重要だ。臨機応変に対応してくれるアウトソーサーが望ましい。

メタボ対策特有の留意すべき点としては、まず、アウトソーサーが抱える医師・保健師・管理栄養士に関して、どういう人がどのくらいいるのか、どの地域で対応可能なのかをしっかり確認することだ。また、「特定検診」と「特定保健指導」の両方を提供しているアウトソーサー、片方だけを提供しているアウトソーサーがあるので、提供範囲、得意分野などに注意して選びたい。特定保健指導では、長期にわたり継続的な指導が必要になる場合もあるので、それが可能な体制が整っているかどうかについても確認しておこう。さらに、自社の従業員の健康管理上の情報を委託することになるので、個人情報保護体制が整ったところを選ぶべきだ。厚生労働省のホームページにも「特定健康診断・特定保健指導」やそのアウトソーシングに関する詳細な情報が掲載されているので、参考にするといいだろう。

特定健診・特定保健指導に関する注目のサービス

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サービス形態 代行・アウトソーシングコンサルティング

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導入社数 導入社数非公開
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スマートフォン対応 なし

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費用 例:年額18万円~(別途、初期導入費) ※従業員数による課金
導入社数 導入社数非公開
サービス形態 代行・アウトソーシング

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