『アイデム』提携

採用選考が後ろ倒しになったときの対応は?

株式会社アイデム 人と仕事研究所 古橋孝美

2015/2/16
アイデム WEBサイト
アイデム人と仕事研究所は、求人媒体を発行する株式会社アイデムの研究部門です。アイデムは1970年に創業して以来、「人材採用」の側面から、企業経営のサポートをしてまいりました。そうした活動のなかで人と仕事研究所は、「採用後の人材を活かし、企業力を高めていただく」ための、各種情報・サービスの提供を行い続けてきています。
パート・アルバイトの活用を目的に調査・分析を行う「パートタイマー白書」や、人事マネジメントの成功事例記事、募集時賃金を集計し、その動向を伝える各種レポートなど。いずれの情報・サービスも、求人媒体事業を通じ、大手企業とは異なる“中小企業の「人」に関する課題”をつかむアイデムならではの、実践的な内容を旨としています。
詳細はこちらをご覧ください→アイデム人と仕事研究所
文/古橋 孝美(ふるはし たかみ)2007年、株式会社アイデム入社。求人広告の営業職として、人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動。「パートタイマー白書」等のアンケート調査を担当。パートタイマーを重点に置いた非正規雇用の現状や今後の課題、中小企業における雇用状況について調査を進めている。

パートタイマー白書や学生を対象にした就職活動に関する意識調査など、当研究所が独自で行っている調査から見えてくることを考察します。

一般社団法人日本経済団体連合会から「採用選考に関する指針」が出され、2016年4月以降入社の新卒採用活動の時期が変更されます。指針の中では、学生がその本分である学業に専念することができるよう、広報活動開始日が従来の12月1日から3月1日へと3ヶ月後ろ倒しに、選考活動開始日が4月1日から8月1日と4ヶ月後ろ倒しにすることが求められています。

「採用選考に関する指針」は、政府の要請に沿って決められたものですので、その影響力は小さくありません。半面、“法律”ではなく、あくまでも“指針”という位置づけのために、独自の期間で新卒採用活動を考える企業もあるようです。

弊社が実施した「2015年度新卒採用活動に関する企業調査」でも、「採用選考に関する指針」を「守ると思う」と回答した企業は63.4%で大勢を占めるものの、「守らないと思う」と断言した企業が10.8%、「わからない」と対応を決めかねている企業も25.8%に上っていました。

■図1:「採用選考の指針」を守るか
図1 「採用選考の指針」を守るか

では、新卒採用の活動時期が変更になることは、企業側にとってどのようなメリット・デメリットをもたらすのでしょうか。新卒採用活動時期が変更によって自社に「良い影響がある」と回答した企業にその理由を聞くと、以下のようになりました。

1位(45.6%)
学生が学業や課外活動に専念する時間が増え、より質の高い者の応募・採用が見込めそう

2位(26.3%)
採用選考時期が後ろ倒しになった分、採用計画が入念に練れそう

高等教育は、本来、次代を担う人材を育成し、社会へ送り出すという役割を担う場です。しかし、近年は就職活動やその準備の早期化・過熱化が進み、それらが学業に支障を来す本末転倒な状況に陥っていました。採用活動時期が見直されることで、結果として、学業に専念し知性・能力・人格等が磨かれた人材が増えるのではないか、という企業側の期待があるようです。

一方、「悪い影響」が有ると回答した企業に理由を聞くと、

1位(32.7%)
選考期間が短くなることで、採用担当者の負担が増えそう

2位(29.4%)
選考期間が短くなることで、応募者1人あたりにかけられる時間が短くなりそう

となっています。

採用活動の広報開始時期は、2012年卒学生までは10月、2013年卒学生からは12月、そして2016年卒学生からは3月と、ここ数年で半年も後ろ倒しになりました。しかし、内定時期を10月とする企業は多く、一般的には従来と変わっていません。つまり、採用活動にかけられる期間は実質的に短期化の傾向にあり、それによる業務負担が懸念されているようです。

さらに、2016年卒の採用活動期間が、従来よりも「短くなる」と回答した企業に、その対策を聞いています。

■図2:採用活動期間が短くなることに対して、対策・取組みとして考えているものはあるか<複数回答>
図2:採用活動期間が短くなることに対して、対策・取組みとして考えているものはあるか

「企業説明会の機会を増やす」「大学/キャリアセンターとの連携を密にする」が上位に挙がったことで、短い期間の中でいかに「自社を知ってもらうか」「自社の採用に応募してくれる学生を増やすことができるか」という、自社の認知拡大と採用のための母集団形成が、2016年の採用活動の重点課題となっているように感じられます。

実際に、採用活動と関連しない形で業界のセミナーを実施する企業や、インターンシップの導入を検討する企業が増えてきているようです。
企業が “直接”学生と接する機会を増やすことは、社会と触れ合うことが少ない学生側のキャリア意識の醸成につながります。また、業界・企業研究の場が増えれば、学生の理解も深まり、ミスマッチの少ない採用にもつながるでしょう。企業側も、採用活動期間の変更に加え、従来の大規模な母集団形成をする採用手法から、より人材を見極める手法を模索している傾向があります。今後は、「学生に会える機会を増やす」こと、これが一つのポイントになってきそうです。

<パート戦力化に関する取材記事は、人と仕事研究所WEBサイトで検索・閲覧できます>
TOP ⇒ コラム/取材記事 ⇒ 現場イズムバックナンバー


新卒・パート/アルバイト調査 最新記事

関連する記事

HR業界団体情報

HR業界の代表的な業界団体をご紹介いたします。
一般社団法人日本テレワーク協会
テレワークを通じ、調和のとれた日本社会の持続的な発展に寄与する。

一般社団法人 日本エンジニアリングアウトソーシング協会
社会的責任を果たすための厳しい基準をクリアした技術系アウトソーシ...

ATDインターナショナルメンバーネットワークジャパン
米国ATDの活動に賛同しているパートナー。2007年設立。日本において...

公益社団法人 全国求人情報協会
求人情報媒体が読者の職業の選択と安定した職業生活に役立つことなど...

一般社団法人 日本人材紹介事業協会
厚生労働大臣の許可を受けてホワイトカラーを中心とした職業紹介を行...

一般社団法人 日本人材派遣協会
労働者派遣法の趣旨に則り、労働者派遣事業の適正な運営を図るため...

日本人材マネジメント協会
「日本におけるHRMプロフェッショナリズムの確立」を使命に、我が...

一般社団法人 日本生産技能労務協会
製造業などにおける労働者の就業の安定労務管理の安全を図り...

HR業界団体情報一覧

主催イベント

講演&交流会レポート

新年会~講演&交流会~

人事サービス業(人材サービス、研修・教育、人事BPOサービスなど)に携わる皆さまを対象とした「新年会~講演&交流会~」を2月2日に開催致しました。


『日本の人事部』ソリューションナビ
HRカンファレンス出展のご案内
HRリーグ